2007年02月20日
SPEED Applianceによる成人矯正治療について
—その4. 7本巻超弾性矯正線(Supercable)の特性と臨床的使用方法について —
<要旨>
Supercableは、SPEED Applianceの開発者であるHansonがSPEED Applianceで使用するために1993年に開発したnickel titanium 7本巻のcoaxial wireで、歯の移動に際し究極的に微弱で持続的な矯正力を発現し、永久変形を起こさないarch wireである。SPEED bracketを用いて、bracket間距離10 mmで中央に力を加え1〜3 mmまでの変位をさせる三点曲げ試験を行った結果、Supercableは65 gの持続的な一定の力が変位の解放を通じて生じていた。また、上顎右側側切歯の1〜3 mm の舌側転位を想定して、strain gauge応用の歯列弓模型にて計測を行った結果、SupercableとSPEED bracketの組み合わせは他のnickel titaniumのwireと比較して18.5%〜29.8%の弱い力を示し、歯列内の固定源となる歯にもリアクションが少ないことがわかった。この組み合わせを抜歯症例の初期排列に用いた場合、発現する微弱な矯正力は前歯群のflare outを起こさずに、側方歯群は抜歯空隙に向かってmigrationを起こし排列される。このため、中程度の叢生においては犬歯の遠心移動などによって予め排列空隙の確保を行う必要がない。また、重度の叢生においては、SupercableをSPEED bracketに組み込まれているauxiliary tubeにdouble wireとして併用することにより、排列空隙を確保しながら転位歯の排列を同時に行うことができる。Supercableを臨床で用いる場合の手技や臨床効果についても併せて報告する。
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